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Nexon社のオンラインゲーム『メイプルストーリー』のオリジナル小説です。ゲーム内には無い表現を多々含んでおります。
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■■■7000HIT記念「エルナスに咲いた哀しき花」
2007/03/26 Mon外伝小説etc
ようやくの完成でございます。
まあ少しでも感動していただければ幸いでございます。
いじめなどが昨今問題とされているなかで、ちょっと考えて書いてみました。
私自身いじめられたこともありますので、他人事ではないですからね。
命はとても大事だって当たり前のことを考えながら書いてみました。
まあ、本当に泣きたい人は私とシュウレイの日記ブログのYouTUbe動画のほうも是非!
金髪の少女が弓を片手に船を駆け回る。
帆を張り、進む場所は空である。
海上を進むのとは違い、特別な推力・・・浮遊石と魔力の力で上空にあがりあとは目一杯の風を船体で受け止めスピードはこの世界で一番速いと言われる乗物である。
金髪の少女はあっというまに帆の上まで昇り、遥か先の世界を見つめる。
「マイ、危ないぞ・・・」
漆黒、その言葉とおりであろうダークコートに身を包む男性がその金髪の少女を制止しようとする。
「大丈夫!大丈夫!私は天使だから!」
マイはそういうと帆の頂上から飛び降りて船首にいく。
そこで両手を広げて自身が空を飛ぶかのような動きをした。
「キノもおいでよ!気持ちいいよ!リロは船嫌いだったからね~こうやって私だけ外で遊ぼうとしても親父に無理やり船内に入れられたから~・・・くぅ~気持ち良い!」
キノは呆れながらもマイの様子を見ていた。
「タイタニック!」
マイは船首ギリギリの位置に立ち両手を広げ立った。
「おぃ!不吉なこというなよな!」
そのマイの叫び声に反応したのは大きな帽子を被った若い男であった。
「俺が操縦する船だぞ?架空とはいえ沈む船の名前を叫んでもらうと困るぜ。お譲ちゃん」
腰には片手剣を帯びた海賊の船長のような格好、船員に的確な指示をしながら船上にきたようであった。
「俺の名前はシャンクス!一応船長をやっている。航海の間はよろしくな」
「よろしく!シャンクス!私はマイ。んで、こっちの猫連れた真っ黒なのはキノだ」
「真っ黒なって・・・まあ、よろしく。シャンクス」
3人がそんなやり取りをしている間に、船体にかかる大きな影が現れた。
「やべえ・・・あんたら弓使いだろ?急いで船内に入れ!骨船が着やがった!!!」
キノはすばやくマイの手をつかみ、船内に入り込む。
それとほぼ同時にいくつかの黒い雷が船体に突き刺さった。
「とりあえず・・・船内なら・・・マイ怪我はない?」
「だ、大丈夫。なんかデカいのが来ていたね・・・」
船内には老若男女問わず、多くの人がいた。
「ここにいれば大丈夫だよ・・・」
脅えきった者達が、キノとマイに言いながらも自分自身にも納得させるかのようにつぶやく。
「あぁ・・・もう辛気臭いのは嫌だ!」
そんな人の中から黒いドレス調の服をきた、魔法使いが立ち上がった。
「我の呼び声に応じ、現世に現れよ!ホーリードラゴン!」
知的と思わせるような黒い髪にきれいな黒い瞳、マイに言わせるならばこの女性も真っ黒といえる。
手にしている武具も高価で能力が高い物、人目でツワモノだと分かる。
「ホーリードラゴン?プリースト?」
1人がそう呟いた。
「プリなんかが、あの邪悪なモンスターを倒せるのかよ・・・」
ほかのものは職業から聞いて無理だと思い愚痴る。
「プリさんだと勝てないの?キノ」
マイは疑問をキノにぶつけた。
「プリーストやクレリックは1人で戦闘するのは不向きだからねぇ・・・」
キノはしばし考え込んだあとマイを見た。
マイは不安を隠しきれず震えていた。
「私も微力ながらお手伝いさせてもらいますよ。プリーストさん」
キノはプリーストに協力することにした。
以前ならば、船内でおとなしくし、自分の災いが降り注ぐと思えば武器を手にしたのだろうが、今はこの状況からマイを助けたいと思い武器を手にしたのだ。
「ほぉ!?弓使いさんなのになかなか言ってくれるね!私は黒い液体v!よろしくね!」
女性は満面の笑みで答えた。
「クロイエキタイ?ブイ?」
「ブイは乙女のVだかね!えっと・・・」
「私はキノ、よろしくお願いします」
キノと黒い液体はすばやく船外にでた。
キノは真っ先に帆を駆け上り、目標を明確に視認した。
「(なんて禍々しい船だ・・・)」
キノは弓を構え、ファイアーショットを何発も撃ち込む。
船体は炎を宿しながらも、船の材質の違いだろうか効果が思ったほどえられない。
黒い液体のドラゴンは黒い骨の船の羽の付け根部分に何度も攻撃していた。
黒い液体自身は、ホーリーアローをドラゴンが攻撃するポイントに撃ち込む。
「なかなか・・・」
「やばくなったら船内にね!キノさん」
「そちらも!液体さん」
2人は黒い骨船からの攻撃を回避しながらも攻撃の手をやめない。
しかし、船は沈む気配がない。
むしろ、邪悪で巨大な気配が増大していくように感じられた。
「もぉ!見てられないぞ!」
マイマイが弓を手に、船上に現れたのだ。
船にアローボムを何発も撃ち込んだ。
「どうだ!!」
マイマイの攻撃で片方の羽は砕ける。
すると、スピードが落ち船と船の間が広がっていく。
しかし、黒い骨船から1つの大きな影が現れた。
邪悪な気配の元凶、大型のモンスターであるレッサーバルログであった。
全身を覆う黒い毛、頭部と方に纏われた骨の鎧、そして禍々しく輝く赤い眼。
恐怖の一言である、この空の悪魔である。
マイマイは始めてみる巨大なモンスターに抵抗する間もなく、大きな手に捕らわれて宙にさらわれる。
「うわぁああ~!!」
マイの叫び声にキノは帆からバルログの背中の飛びつき、矢を素手で突き刺す。
液体はそんなキノとマイに遠方からヒールで回復する。
しかし、バルログはマイをつかんでいない手でキノを掴み、すぐさま船体に投げつけた。
それとほぼ同時に、マイが掴まれた手と腕に斬撃が入る。
「うおぉ!」
間の抜けたような叫び声を共に巨漢の戦士が斧でマイを握った手を腕ごと切り落とした。
バルログは苦痛の中、凄まじい叫び声を挙げて船に逃げ込む。
その背後とキノと黒い液体が逃さず攻撃した。
ホーリーアローとスフレフの乱れ撃ちは羽を破壊しただけに留まらず、致命傷を負わせることとなる。
バルログは死力を尽くし、船の中に入ると船は瞬く間に後方にあった巨大な雲の中に逃げ込んだが、その船が見えなくなるまで2人の攻撃は続いた。
「・・・これ以上は無意味でしょうね・・・」
キノは船が消えた雲からかなり距離が取れるまで警戒していたようで、ようやく安堵した。
「流石はキノさん!」
黒い液体は親指を立てた拳と満面の笑みでキノを称えた。
「流石ですか・・・?ど、どうも」
キノはそういいながらもマイと先ほどの戦士を気にかけていた。
「キノ!私は無事だよ!」
キノの心配を知ってか知らずか、マイは元気な声でキノに呼びかけた。
「この戦士さんのおかげで助かったんだ!」
マイをつかんでいた腕は既に、船外にシャンクスとその部下によって投げ捨てられていた。
その戦士は、先ほどまで自分が切り落としたその腕の下敷きになっていたのである。
声で男性と分かるけが、顔は戦士特有のフルフェイスの兜「ジュースティング」を装着しているので分からない。
あと装備は全部、自身の能力より数ランク下の弱い装備である。
「戦士さん、どうもありがとう。連れを助けていただいたようで・・・」
キノは座り込んでいる、戦士に手を差し伸べてお礼をいった。
「アリガトウ?」
聞き返すような言い方をしたあとキノの手を掴み立ち上がった。
「ありがとうってお礼の言葉だよ?」
その戦士の問いに答えたのは黒い液体であり、戦士の傷をヒールで回復させた。
「ミドリイロ、アタタカイ。トテモ、キモチイイ」
ヒールが初めてなのか、戦士は偉く喜んだ。
「こういうときに使うんだよ。『ありがとう』って」
マイは満面の笑みで戦士にいった。
「アリガトウ・・・」
戦士は巨体に似合わず小さな声で不器用ながらも言った。
「ア!ワスレナイウチニカイテオク・・・」
戦士は懐からぼろぼろノートと鉛筆を取り出して、片仮名だけで「アリガトウ」と書いた。
そのノートには様々な言葉が片仮名だけで書かれていた。
「忘れないように、ですか・・・」
「あ、私も言うの忘れてた!戦士さんありがとうね!でもすごいね!腕斬っちゃうなんて!」
「オレ?スゴイ?」
「すごいよ!みんな怯えていたのにあんな武器で挑んで、人を助けるんだから!」
黒い液体はすかさず戦士を称えた。
見習い戦士が使うレベルの武器であれだけの戦闘を行ったのだから誰もが驚くのは仕方ないともいえる。
「オレ、ホメラレタコトヤ『アリガトウ』トカイッテモラッタコトナイカラスゴクウレシイ」
3人は驚きながらも、マイは問いかけた。
「戦士さん、名前なんていうの?私はマイ!んで、真っ黒な男がキノで女が黒い液体」
「黒い液体vだよ!ブイは乙女って言う意味!ウフフン!」
間髪いれずに黒い液体は訂正した。
「真っ黒な女ってとこはスルーですか・・・」
キノはあきれながらいった。
「オレ、バケモノ」
「ば、化物!?なんで?」
3人は再び驚いたが、マイはすぐさま聞き返した。
戦士は何もいわずに兜を脱いで見せた。
その顔は毛まみれでとても人と見えないものであった。
手袋と鎧を脱いだ上半身も肌が見えないほど毛で覆われていたのだ。
「オレ、イエティノコジャナイカッテイワレタ」
「イエティは知能が低いので会話もできないはず・・・もしかしてモンスターと人の・・・」
「キノさん。それはありえないと思うけど・・・」
「オレ、エルナスニモドル。ソノタメニフネノッタ。マイドコイク?」
「私は・・・どこいくんだろ?あはは」
マイも初めは驚いたが、バケモノと楽しそうに過ごした。
しかし、キノと黒い液体は不安な表情を隠せないまま、船はオルビスに着いた。

4人が船の降りたあと、ほかの乗客も降りて事態は急変した。
「バ、バケモノ!なんでオリシアに戻ってきた!!」
乗客の1人がバケモノのことを知っていたことで他の乗客がオルビスの人間も騒ぎ始めた。
「お、落ち着いてください!」
バケモノに文句を言う乗客の前にキノがわってはいる。
しかし、冷静に対応しようとしたキノとは対象的に黒い液体とマイは怒りを露に怒鳴る。
「うるさい!」
「なにもせずに船に隠れてたお前たちが何を偉そうなことを言ってるんだ!プンスコ!」
「バケモノは私をバルから助けてくれたんだよ!」
マイと黒い液体の勢いと迫力にバケモノも乗客もすくんでしまった。
しかし、乗客の1人がマイと黒い液体に食って掛かる。
「助けたね・・・運があっただけだろ?第一見てみればわかる。そいつの装備は知能が低さを露呈してるだろ?」
馬鹿にした口調、わざとそうしてるのが分かる嫌味な話し方はマイ達を怒らせた。
確かにバケモノはレベルや能力から言えば、3次職に就くことができるであろう。
しかし、装備品は駆け出しの戦士が使うような安物、強化もしているわけでもない弱い武具だけである。
「・・・人を馬鹿にするのは感心しませんね」
マイが今にでもその乗客に殴りかかろうとしていた時、オルビスから緑のプリアを装備し、手には真っ赤なボウガン「アーキアプテリクス」を装備した男性が現れた。
「そ、ソウルジャスティス!?」
数名の乗客が驚きながらその男の名を口にした。
「あ!バケモノを倒しにきてくれたのか!?」
「・・・違います。そちらの方々、ここに居られては騒ぎが大きくなりますのでこちらに・・・」
ソウルはマイ、キノ、黒い液体、バケモノをオルビスの町外れに移動した。
「名乗るのが遅れました。私はソウルジャスティスといいます。エルナスの長老に代わって治安維持をしている者の1人です」
「助かりました。感謝します」
キノはお礼を述べ、手を出して握手を求めたがソウルジャスティスは握手をするつもりがなくそれを無視した。
ソウルはバケモノの前に立ち、肩に手を添えて言った。
「よく強くなって戻ってきましたね」
やさしい笑顔を見て、バケモノもうれしそうに笑顔で答えた。
「おっちゃんもバケモノと友達なんだね!?」
マイは2人の様子を見てとても嬉しく思えた。
ここオルビスにもバケモノの友達がいたことで、1人じゃなかったと分かったからだ。
「おっちゃんですか・・・私が外出してる時に、エルナスの村人達が彼を騙して牛乳を飲ませてジパングに追放したようなのです・・・」
「そうだったのか・・・」
みんなは驚きを隠せなかった。
「んでさ、ソウルジャスティスさんは何をしにここに?ステーションではバケモノさんを探して来たっていう感じじゃなかったかたね」
黒い液体は感じたままの疑問をぶつけた。
「・・・私がここにきた理由は黒衣の暗殺者の拘束です」
3人に衝撃が走った。
「く、黒いからって黒い液体さんは暗殺者じゃないよ!」
マイは驚きながらもすぐさま否定した。
「いあいあ・・・」
黒い液体とソウルジャスティスの目線はキノに向けられ、キノは顔を背けるわけでもなく毅然とした態度で相対した。
「私のことですね?」
「そうです。キノ。あなたを拘束しエルナスの長老のとこまで連れて行きます・・・」
ソウルジャスティスはそういいながらキノの武器を剥奪し、特殊なアイテムを使いスキルとジャンプを使えなくした。
「私個人は、あなた方の船内と彼への対応からここまでしたくないのですが・・・」
「分かってます。それに相手が誰でアレ暗殺という仕事に手を染めていたのも事実ですから・・・」
ソウルジャスティスの温情はキノへ確かに伝わっていた。
「え!?え!?どうなっちゃうの?」
マイはようやく事態が分かり、おろおろするが黒い液体が優しく背中から抱きしめた。
「大丈夫、大丈夫だよ。マイちゃん」
「う、うん」
「乗りかかった船だ!私もエルナスにいくからね!」
黒い液体の回答にマイも首を縦に振る。
「分かりました。私はキノの拘束すべきための準備をしていなかったので魔法の書が2枚しかありません。すいませんが自力であの塔を降りてください。あと申し訳ないのですが彼をエルナスまで連れてきてください。エルナスについたら彼を連れて鍛冶屋のボゲンに会ってください。私の名前を出せばボゲンは協力してくれるはずです。では・・・」
ソウルジャスティスはそういうとキノをつれて塔に向かっていった。
「さてっと。マイちゃん大丈夫だから!私たちもエルナスにいこう」
「オラモツイテイク・・・」
バケモノは不安げな2人を心配しながらも、エルナスにいくというも目的を果たそうと
「もちろん!バケモノもエルナスに行くんだよね!一緒にいこう」
「うん!」
マイは今にも泣きそうな顔をしていたが、力強く頷き、生まれ育った町を懐かしむ暇もないままオルビスの塔に向かった。

オルビスの塔にある巨像にマイが魅入られたように呆然で立ち尽くした。
目の色が変わり、ボーイッシュというとげとげしい髪型がより一層逆立った。
「何が起こってるの!?」
黒い液体は必死に状況を把握しようとした。
するとバケモノがリロを抱きしめて、塔の中に駆け込んだ。
黒い液体もすかさずそれを追った。
「アノ、ゾウガマイニナニカシタ」
バケモノは本能からなにか、それを見抜きとっさの行動をとったのだ。
「そっか・・・マイちゃん大丈夫??」
マイは意識が戻らなかったが、とりあえずまた像の前を通るよりはエルナスに戻ったほうがいいと判断し黒い液体とバケモノは塔を歩いて降りることにした。
バケモノはマイを背負っているが、黒い液体と2人の力ならストーンビールぐらいなら邪魔になることもなく、塔を半分以上降りてエルナスのエリア内に入った。
「よし!わが呼び声に応じて次元をつなげ!ミスティックドア!」
黒い液体は時間短縮のためにミスティックドアを出して塔の内部とエルナスを繋いだ。
塔の中では帰還の書は使えないためプリーストが用いる手段の1つである。
黒い液体はまず自分がドアをくぐりエルナスいき、ドアの付近に人がいないか確かめた。
いないことを確認すると、マイとバケモノを誘導し速やかに、鍛冶屋ボケンのいる場所に向かった。
鍛冶屋が目前に見えたとき、1人が黒い液体たちに駆け寄ってきたのだ。
「あ!バケモノだ!もどってきたのか!」
鋭い刃先の槍を構えた、初老の男性が3人の姿をとられたのだ。
不幸なことにバケモノはマイを背負っていたのを連れ去るかのように見えたのだ。
容赦なく男の槍から放たれる突きを止めたのはボゲンであった。
「スカルド!おちつけ!バケモノがお前の倅を殺したわけじゃないんだぞ!」
スカルドの槍はホゲンの炎を帯びた鎚に叩き落された。
「くぅ・・・」
「厄介なことになったな・・・」
ホゲンとスカルドの激突のせいで野次馬が集まってきてバケモノのことはエルナスに知れ渡った。
「ホゲンさん!なんでそんなモンスターのかたをもつんだよ!」
野次馬からの罵声が飛び交う。
「うるせぇ!ナリだけで判断してんじゃねぇ!」
ナイトのシャウトなんか比ではないその叫び声に野次馬たちは怯む。
しかし、スカルドも歴戦の猛者、怯むことなく叫ぶ。
「こいつがエルナスにいるとな、モンスターたちがまた襲って来るんだぞ!」
バケモノがいた過去に、モンスターの襲撃や、モンスターが起こしたと思われる雪崩が過去数度、エルナスを襲った。
長老達は因果関係を見出すことはできず、処置を考えていた矢先、一部の村人がバケモノに牛乳を飲ませてジパングに追いやったのだ。
「長老たちもこいつを追放したりするつもりはなかったはずだ!」
しかし、スカルドがいったことがすぐに現実となった。
なだれがエルナスを襲ったのだ。
地響きと共に、あの高い山から波のようにすべてを飲み込んでいく。
惨劇に気づいたエルナス長老達は、雪崩を食い止めようと結界を張り、なおかつ雪崩を攻撃した。
炎は雪を溶かし蒸発させていく。
最高級の火力を持って、雪崩さえ食い止めていくエルナスの長老達の力を目の当たりにした。
「ほらみたことか!バケモノがいるせいで雪崩を起こしたんだぞ!?」
「オラノセイデナダレオキタ・・・オラ・・・」
「そ、そんなことはないよ!」
黒い液体がバケモノを励ますが、それ以上に放たれる野次馬の罵声が無意味にさせる。
「そうだよ。私のこと助けてくれたし、こうやっておぶってエルナスまでつれてきてくれたじゃん」
マイは意識を取り戻し、バケモノを黒い液体と共に励ました。
「オライクヨ・・・」
バケモノはそういうとマイを背中から降ろして、野次馬のならを突っ切りエルナスの東口から山に駆け上がって行った。
「黒い液体ちゃん・・・私もいく!」
「私だっていくよ!」
2人はお互いの背中を叩きあい、バケモノを追って駆け出した。

エルナスの奥地には巨大なモンスターイエティがいる。
知能は低いが、群れをなして行動する凶暴なモンスターである。
その巨体と大きな腕をフルに活かした攻撃は強烈で、猛者でなければ太刀打ちすることも困難である。
だが、雪崩を起こしているイエティ達は背中に鞍のようなモノを背負っている。
木で作られた簡単な鞍には王冠を被ったペペという知能が高いモンスターである。
たまに見られる突然変異型のモンスターである「イエペペ」だ。
そのペペの指示でイエティは高い崖から地面を何度も殴りつけて雪崩を起こしていた。
そのイエペペの数は20匹以上、それと対峙するようにバケモノはいた。
「オマエタチ、ユルセナイ」
バケモノは斧を全力で振り回し、その群れに突撃した。
斧は剣とは違い、機動力を奪うがその一撃は強力である。
イエティの腕はバルログの腕に比べれば細く脆い、必然的にイエティたちの腕と胴体は両断されて、雪と氷を赤く染める。
イエティが倒れると、ペペはすぐにその場から逃げていく。
しかし、数では圧倒的に不利なバケモノは、ペペの指示によって陣形を整えたイエペペに囲まれて一斉に攻撃される。
地面に叩きつけられても尚、イエティの腕はバケモノを殴りつける。
意識が途切れようとした瞬間、バケモノは翠色の光に包まれて痛みが体から消えるのが分かった。
「ヒール?」
ヒールを受けて起き上がったバケモノが見たのはイエペペ達が火に飲まれ、焼かれている光景であった。
「マイさんいつの間に・・・そんなスキルを?」
マイが3次職「レンジャー」のスキルであるファイアショットでバケモノを囲んだイエペペを燃やした。
「うわぁ!なんかできちゃった・・・」
「なんかって!?」
戦闘中でも黒い液体はツッコミを欠かさない。
マイは自身の体と精神からあふれる力を制御しようと集中した。
この山には、イエペペだけでなく数多くのモンスターがいる。
無論、ほかのモンスターもマイたちに襲い掛かってくるが、マイは感覚だけで3次職のスキルを使い撃退していく。
飛び掛ってくるヘクタにはモータルブローを発動させて一撃で仕留め、背後から近づいてきたホワイトパンにはパペットを囮にしてその牙を回避し、スフレイフで撃ちぬく。
「おぉ!すごいね!マイさん」
そして、黒い液体もテレポを巧みに使い、イエペペの鞍に乗りペペを一蹴して、イエティの頭上でシャイニングレイを唱えた。
イエティは頭の上から受けた一撃で地面に倒れこみ、余波で周りのイエペペを吹き飛ばす。
そして怯んだ隙を逃さず、ホーリーアローとマジッククローでペペを倒していった。
2人の並外れた力でほとんどのイエペペは倒れていった。
バケモノも斧で次々と生き残っていたモンスターを両断していき、さっきまでいたイエペペ達は屍になったか逃げてもうこの場にはいない。
「ヒール。アリガトウ。タスカッタ」
「気にしない!でも私達でよく勝てたね!ウフフン!」
黒い液体は疲労がやや見えるが、3人で無事にことをなせたことを喜んだ。
「バッチャンすごいよ!」
「バッチャン?バケモノさんのこと?」
「うん!バケモノって何かいいにくいから、バッチャン!でも斧で次々と・・・本当すごいね!」
マイも喜びながら、バケモノを称えた。
「(バッチャンっておばあちゃんみたいだな。でもマイさんがなんでいきなり3次職のスキルを・・・)」
黒い液体は疑問を抱き、それをマイに問おうとした瞬間、氷の塊が3人の間に投げ込まれる。
破片は飛び散り、刃のごとく3人に降り注ぐ。
「まだ残っていたのか!?」
3人のいる場所より更に高い場所に、まだ数対のイエペペがいた。
マイはすぐさま弓を構え、矢を放とうとしたが地響きと共に雪崩が3人に向かって流れてくる。
「マイさん!バケモノさん!こっちに!」
今までの非でない雪崩、しかし黒い液体には切り札があった。
ミスティックドアである。
魔法の石を使い、ドアをだしたが雪崩だけでなくイエペペが投げてくる巨大な氷の塊に行く手を阻まれてマイとバケモノは黒い液体のもとに近づくことができない。
そして、無数に投げ込まれてくる氷の塊はマイを捉え、直撃した。
幸い気絶だけであったが、この状況下では気絶するだけでも命取りになる。
倒れていくマイをバケモノは抱きかかえ、黒い液体にマイを投げた。
「マイトニゲテ!」
黒い液体もなんとか受け止め、バケモノに目を向けるとバケモノは雪崩に飲まれ一瞬でその姿が消え去った。
黒い液体も自身に迫る雪崩を回避するために、ドアのなかへと飛び込んだ。
ドアは開けた向きの加減で雪崩が入ってくることはなかったが、その衝撃で開いたドアの一方で黒い液体までも気絶してしまった。
生き残ったイエペペはまた場所を変えて雪崩を起こそうとすると地面を何度も殴る。
しかし、1匹ずつ地面に倒れていく。
ソウルジャスティスが遥か遠方から狙撃したのだ。
吹雪の中、寸分のくるわずに矢を放っていく。
まずは指示を出していたペペを一撃で撃ち殺し、あとは丈夫なイエティを確実に打ち抜いていく。
キノを長老達のもとに連れて行ったあと村での騒動をしり、山を登ったのだ。
「3人は無事だといいが・・・」
ソウルジャスティスの不安は的中したことは、彼はまもなく知ることになる。

黒い液体とマイが目を覚ましたのはエルナスの長老の館であった。
村人達は、村を救ってくれた英雄と2人を称えようと館の前に集まっていた。
2人が目を覚ましたことを知ると何人もの村人が感謝の言葉を述べにやってくる。
しかし、マイと黒い液体はバケモノが戻ってきていないことを聞かされた。
「いあ~犠牲があんなやつだけでよかったよな!」
心無き村人の声でマイと黒い液体は悲痛の表情になる。
マイはすぐさま館と飛び出し、黒い液体もそれを追いかけた。
マイは雪崩が途中でせき止められた場所まで走った。
まだ、雪崩のなかでバケモノが生きているかもしれないと思ったからだ。
黒い液体もその考えを理解し、一緒に山を駆け上っていく。
マイはファイアショットを連発しながら雪や氷を溶かしバケモノを探す。
「(流石にマイさん1人だけじゃ・・・)」
そんなことを考えていた矢先、ダークコートに纏った1人の男が現れた。
男は、マイの隣に並びファイアショットを連発した。
「キノ!」
キノは拘束がとかれ2人を助けようと駆けつけたのだ。
「キノさん!無事でよかった!」
「2人ともご心配おかけしました。事情は大まか理解してます」
キノも流石は3次職の先輩、マイより効率よくファイアショットで雪や氷を溶かしている。
しかし、3人の前方に2つの人影が見えたのだ。
ソウルジャスティスがバケモノを肩にかけて現れたのだ。
黒い液体とマイはすぐさま2人に駆け寄り、黒い液体はヒールをかけようとバケモノに触れた。
黒い液体の顔は見る見るうちに青白くなっていく。
言葉にしたらそれを認識せざるおえない彼女は言葉でそれを伝えることはできず、ソウルジャスティスがそれを代弁する。
「彼はもう死んでます」


4人はバケモノの亡骸を長老の館にまで運んだ。
館にはまだ村人達が集まっていたが、そんなことを気にすることもない。
予想通りに村人の中には心ないことをいう人がいまだに何人もいた。
マイは必死に涙をこらえようと悲痛な表情。
黒い液体もまたマイと同じようにやりきれない思いを抱いていた。
「そんなモンスターの死体、どっかに捨ててこいよ!」
その一言に、ソウルジャスティスが怒り、先の言葉を言った村人の胸倉を掴み壁に背中をぶつけさせた。
「あなた達は何も知らないでよくそんなことをいう!」
冷静沈着なイメージであったソウルジャスティスがここまで怒るのは仕方ないとも思えるが、彼は他の人より事情を知っていたからでもあろう。
マイと黒い液体は暖炉の前で、凍り付いてしまったバケモノから冷たく壊れた鎧をやさしく脱がす。
鎧を脱がすと1冊のボロボロのノートと植物の種が出てきた。
マイはおもむろにそのノートを拾って、読んでみた。
カタカタだけで簡単な文章だけの中身であったが、マイはそれを変換するように読み上げていった。


ソウルジャスティスに勉強に使うといいと言われてノートとペンをもらった。
初めてのプレゼント、本当にうれしかった。

やはり、外見が他の人と違うせいだけなんだろうか・・・
みんなは未だに僕のことを嫌っているようだ。
とてもつらい・・・

エルナスでは花が咲かないらしい。
花というのは人を元気にできるらしい。
エルナスで花を咲かせればみんなはボクと仲良くしてくれるのかな。

スカルドのおじさんからおいしい飲み物をもらった。
飲んだらとても怖い場所に来てしまった。
どうしたらいいか分からない・・・

蒼い髪の剣士さんが色々と教えてくれた。
一緒にエリニアで魔法の花の種をマルから貰ってくれた。
あとエルナスに帰る方法も教えてくれた。
この大きな船に乗ればオルビスにつくらしい。
人がいっぱいでボクの顔を見たら驚くかもしれないと仮面のような兜も貰った。

船でいい人にあった。
マイと黒い液体とキノだ。
ありがとうという言葉を知った。
言われた時、すごく嬉しかった。
いつかはエルナスのみんなに言われようになりたい。

寒い・・・苦しい・・・
マイと黒い液体は無事に帰れたかな・・・
エルナスは無事かな・・・
みんな大丈夫かな・・・
この種でエルナスに花を咲かせてみんな喜んでくれるといいな・・・



マイはまるでその時のバケモノの感情を表すように読み上げ、それを聞いていたみんなは自分達が行った愚行を心底恥じた。
しかし、もう彼は起き上がることはない。
最後まで純粋で優しい1人の戦士は永遠の眠りについたのだ。
1人の村人は高級な戦士の鎧を持ち込んで、冷たくなったバケモノにそれを着させる。
「もうあまり役立つことはないだろうけど・・・エルナスで薄着じゃ寒いからね・・・」
「そうだな・・・英雄にはふさわしい勇ましい姿だよ。ありがとう・・・村を救ってくれて・・・」
ソウルジャスティスは村人たちに先立って御礼の言葉を涙ながら言った。
「ありがとう」
「ありがとうね・・・」
「ありがと」
多くの村人がそれに続けとバケモノを囲み、感謝の言葉を述べていった。
ボゲンが準備した棺桶にバケモノと大量の花をいれてエルナスの墨に埋葬された。
彼の愛用していた巨大な斧を墓標とし、墓石には「エルナスの英雄」と刻まれていた。

「マイさん元気になった?」
「うん・・・いっぱい泣いちゃったしね・・・」
黒い液体とマイはバケモノの墓の前にいた。
キノはしばし、長老に事情聴取をされているためエルナスから離れることができず2人で待っていた。
「そかぁ・・・まあ無理しないでいいからね」
「ありがとう・・・んじゃ最後に・・・最後にもう一度だけ泣いていい?」
黒い液体は笑顔で答えた。
マイは黒い液体の胸の中で泣いた。
そして、バケモノの墓の周りには小さいが力強く地面から突き出した無数の芽が、雪の上で風に撫でられ踊っていた。
新しい命の息吹の誕生をマイたちに見せようと・・・。


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7000HIT(*´∀`)ノ☆・゚:*才×〒"トォ
いやぁ・・・・・・すみません!泣きました。゚+(σ′д`。)+゚・クスン...
ハッピーエンドで終わらなかったのね。・゚゚(ノД`)あ゙~ん
そして今回は初登場銀さんだねぇw
なんだか大人な銀さん。。。いつから私より年上に((
2007/04/02 Mon URLマイ#- [ 編集 ]
読んだよー!!
てか、今回は登場人物も知ってる人が多くてハァハァ
銀さんは知らないけれど、大人な予感♪

私もマイさんと同じで最後の方ちょっとうるうるきてしまったヨ。

途中までUPされてたときは、どういう風になるんだろう?
って思ってたけど!
悲しい結末で終わるのかっ><
2007/04/06 Fri URL液体#- [ 編集 ]
初めて書き込みさせていただきますが、ランキングから見つけ、毎回楽しみにしていますよw

バケモノ・・・いい奴ですねぇ;;
悲しい結末でしたがとても読んでいて楽しかったです。

ロキアルド様を見習い私もMapleStoryの小説を書きはじめたのですがURLを載せておくので、お暇でしたらどうか足跡、ご指摘お願いします。
2007/04/07 Sat URL無連#- [ 編集 ]
コメントありがとうございます^^
マイさん>
7000HITも本当おかげさまであります。
こちらこそありがとうございます。
これからもどうか御贔屓に!
銀さんは同い年だとおもってた(ぁ
でも結構精神年齢高そうだしキャラにあってるかな~っと。
まあ昨今人の命の価値が安くなったような気がします・・・
今一度命の大事さをっというわけで書かせていただきました。
何か感じていただければ幸いです^-^

液体さん>
読んでいただいてありがとうございます!
悲しい結末でありますが、何かを感じていただけるかと思ったのです。
ハッキリいって液体さんやマイさんは十二分に優しさをお持ちですから今更どうのこうのじゃないでしょうけどね^^
今度のマイ液体コンビでは楽しくいこうとは思ってます^-^

無連さん>
初コメントありがとうございます^^
正直友人知人のコメントとちがって遠慮ない意見が聞ける第3者のコメントはすごく嬉しかったりします。
命っていうのは大事ってことを再度認識していただければ幸いです。
私もぜひ無連さんの小説を読んでみたいですが、URLがないので見れないです(泣
検索などもしてみましたが見つけれませんでした。
また今度URLをお教えくださいませ。
あと相方のシュウレイのメイプル小説はとてもお勧めです。
よろしければそちらもリンクからどうぞ^-^
2007/04/08 Sun URLRokia#/5LHBRow [ 編集 ]
小説、読ませていただきました。
感動しました。メイプルの世界ではこういうことがもしかしたら日々、起っているのかもしれませんね。単調に狩りをするんでなくて、本当に何かしらのエピソードがあるのかもと思えてきます。こういった形でメイプルを見たことがなかったので、新鮮でした。
また読みに来ますね。

追伸:すみません、名前間違えてました(涙)
2007/04/19 Thu URLすず#JX3SP74k [ 編集 ]
コメントありがとうございます^^
すずさん>
お返事遅くなってすいませんorz
感動していただければ幸いです。
みんな1人1人が単調なようでも毎日違うことをしてる世界ですからね。
あっても不思議ではないかもしれない話って意識して書いてみました。
また是非お暇なときにきてやってくださいませ^^
2007/06/08 Fri URLRokia#/5LHBRow [ 編集 ]

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プロフィール

ロキアルド

Author:ロキアルド
血液型  A型
星座   天秤座
趣味   映画観賞 

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名前:ROKIARUDO
職業:戦士(ヒーロー)
サーバー:あんず
所属ギルド:【AnotherSlash
「蒼い剣士」愛称ロキアを主人公にメイプルストーリーの設定などを生かしながらオリジナルの小説を書いていきたいと考えております。
上記のプロフィールの素敵な絵はシュウレイ様が描いてくださいました。
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