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Nexon社のオンラインゲーム『メイプルストーリー』のオリジナル小説です。ゲーム内には無い表現を多々含んでおります。
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■■■9000HIT記念小説 後編 「真実と虚偽の狭間で迷う者達」
2007/11/27 Tue外伝小説etc
人狼
前の更新からえらく時間がかかりましたが後編の完成です。
読みにくく理解しにくいと思いますが、最後まで読んでいただければと思います。
前編をまだお読みでない人はここをクリック。
あとあとがきを書いております。
お暇ならそちらもお読みいただければと思います。
小さな教会に生き残った人間は全員集まった。
暗い表情をした牧師が、悲痛の表情で話しを始めた。
「この村には今、人の姿をしたモンスター・・・ ライカンスロープが入り込んでいます」
騒ぎによって村にいる人間は全員、予見してはいたが改めて実感し悲観する。
「こうなった以上、人間が生き残るために前例を真似、ライカンスロープを駆逐します・・・」
前例、これを聞いて理解した村人達は絶望感に支配された顔になり、ベイヴァとジェシリカは抱きしめあいながら辛い表情をしていた。
状況がまだ、把握できないシュウレイ達でも只ならぬことが起きることは容易に予想できた。
「それで・・・その前例を言ってくれないか?」
ロキアルドの問いに牧師は、躊躇いながらも口にしていく。
「誰かが・・・死んだときには怪しいものを死刑とします・・・」
「その方法は?」
「・・・投票で、一番多く票が入れられた人を・・・ 絞首刑か、みんなで撲殺か・・・」
ダマール、ルバト、シュウレイも驚き、その表情を隠せない。
「ふざけるな!」
怒鳴り声をあげながら、ロキアルドは牧師の胸倉をつかんで壁を押し付けた。
「人間まで・・・人まで殺してしまうかもしれないだろうが!?」
そんなロキアルドから目をそらさずに、牧師はいう。
「やつらは自ら正体を現すことなんてほとんどない! こうしないと全滅するのですよ?」
興奮状態のロキアルドはルバトとダマールによって牧師から引き離された。
「まあ、落ち着いて・・・」
ダマールの言葉でロキアルドはおとなしくなりはしたが、怒りは治まっていない。
「まあ、そんなことがされる前にライカンを返り討ちにすれば・・・」
ルバトの発言に対し、ベイヴァが反応し言う。
「もし、ライカンだったとしても人間の姿のまま死なれてみろ・・・」
「そうなれば、ライカンを殺した人がライカンだと思われるってことですね」
シュウレイは1人考えこみながら呟くように言った。
「しかし、ライカンを返り討ちにする手段と身を護る手段もあります」
「聖水と御守り・・・」
静観していたナイトが言った。
「そのとおりです。聖水は生成し始めましたが今日中には無理です。おまけに1瓶分しかないので・・・」
牧師はそういいながら聖水が入ったビンを箱から取り出そうとしたが、箱はすでに空であった。
「すでに誰かの手にということですね・・・」
「すでにライカンが?」
ロキアルドの問いに自信に満ちた顔で牧師は返答する。
「それはないです。聖水は少量でも彼らにとっては猛毒に値します。死ぬことがなくても人に化けることは不可能になるでしょう。そこまでのリスクを負う行為はまずありえませんよ」
しかし、みんなは不安な表情から変わることはない。
機転を利かせたシュウレイはすぐさま牧師に尋ねた。
「それで御守りは?」
「2つありましたが、そちらも紛失しています・・・ しかしながら、銀箱に入れておいたものなので人の手に渡っていると考えていいと思います。狂人の可能性も否めないですが・・・」
状況の悪さにみんなは不安が苛立ちにかわり表情に隠せずにいた。
「とりあえず、明るいうちに焼け落ちた狂人だった長老の家の跡やその付近を調べてみようか。何か分かるかもしれないぞ」
ベイヴァのその発案で、何があってもいいようにと全員で移動した。

ベイヴァのおかげで思いのほか情報を得ることができた。
焼けた後からは、御守りの残骸もなく、御守りは処分されていない、普通の人間の手に渡っていることが判明し、焼け残った書物を調べることで、長老の手引きもあり1匹のライカンと2匹のウェウルフが村に入ったこと、狂人はあと3人いることがわかった。
狂人も誰がライカンかまでは分かっておらず、死んだ長老だけが全てを把握していたようだ。
この情報、書物も偽者の可能性があると慎重に調べた結果、間違いがないと結論がでた。
今後のために分かりやすく話しを進める上で、牧師の提案で呼称を決めることとした。
普通の村人、「村人」とし5人いる。
御守りを所持した村人、「牧師」とし2名いる。
聖水を所持した村人、「祈祷師」とし1名いる。
狂人は、「狂人」とし、3名いる。
ライカンスロープとウェアウルフは、「ライカン」で3匹いる。
これからは、村人とライカンとの知略による戦いが始まる。


1日目「夜」生存者残り14名
教会にあつめられた人間は、1人が1人を指名し、一晩を共に過ごす相手を決めるのだ。
教会の2階部分には8つの頑丈な部屋がある。
牧師がいうには順番に指定された人間が一夜を共に過ごす相手を選ぶ。
今晩は聖水を使うことができない。
ライカンにとって、今晩は祈祷師を食い殺すチャンスであるが、検討もつくわけがないのも事実である。
「さて・・・先ほど引いていただいたクジで順番を決めましたので以後はそれにしたがって順次やっていきましょう・・・」
牧師が差し出した番号札をみんなは順番に引いていき順番が決まった。
またロキアルドは14番であり怒りを露にしていた。
「ライカンども!シュウレイを食い殺そうだなんて微塵のほどでも思ってみろ!貴様ら種族は地上から消し去ってやる!」
ロキアルドはやはりシュウレイを指定し、彼女を護るつもりでいたのであろう。
しかし、ダマールとルバトによってロキアルドは押さえつけられた。
そして1番のクジを引いたベイヴァはジェシリカ指定した。
以後順番に組み合わせは決まった。
2番の部屋にはナイトがシュウレイを指名。
3番の部屋にはリィルフェンがダマールを。
4番の部屋にはキリーがファーレイを。
5番の部屋には牧師がルバトを。
6番の部屋にはコラントがロキアルドを。
7番の部屋には残ったハーベ、ユウリアを。
そして各自は部屋に入ってくる。
分厚い扉は閉じられ各々に内から鍵をかける。
これにより外部からの攻撃は恐れることはない。
同室の人間があとはライカンでなければ・・・

シュウレイはナイトに警戒していた、しかしナイトからは警戒心がうかがうことはない。
一瞬、ナイトが聖水を所持しているのではと思ったが、今晩は聖水が、まだ力を発揮することはできないことを思い出した。
「シュウレイさん。私はライカンではないです。安心してください」
「あら?そう言われて安心できると思いますか?」
シュウレイはすぐに返答した。
「私は人間です。それを覚えておいていただければ幸いです」
「・・・私がなぜライカンだと思わないのですか?」
「これでも人を見る目は持ってるつもりなんで♪」
ナイトはそういうとベッドに入り込んで眠りについた。
シュウレイも、もう1つのベッドに横になり翌朝予想される悪夢に備えて眠りについた。


2日目「朝」生存者残り12名
明らかに人数が減っているのが分かった。
牧師の進行により、死亡者がでた部屋の人間は全員の前にでるようにいわれた。
むろん、シュウレイとナイトは無事であり2人は事の成り行きを見ていた。
6番部屋のコラント、7番部屋のハーベの2名が死亡していた。
6番部屋であったロキアルド、7番部屋であったユウリアの2名がライカンの容疑がかかった。
「とりあえず、弁明、状況の説明があれば言ってください」
牧師がそういうと真っ先にユウリアが言い始めた。
ユウリアは以前からこの村にいる魔法使いの女性である。
赤いロングの髪が印象的である知的美人。
「彼は狂人ですね。深夜になって隠し持っていた短刀で自身の喉と手首を切り、血を部屋一面に撒き散らしたあと自ら身を窓の外に投げ出したのです」
7番部屋のハーベの遺体は骨だけであった。
しかし、夜間にヘクタなどが協会の周りで襲撃のチャンスをうかがって群がっている。
そこに血を流した人間が飛び込めば無論、骨だけが残るのは道理である。
「むろん、私に投票する人もいると思いますが、私を殺すのは勿体無いですよ。私は『聖水』を所持していますので」
ユウリアの言葉に全員が騒然となった。
「なら見せてください」
ファーレイが真っ先に問いかけた。
ウインドという独特の髪型の女戦士であるファーレイもまたこの村の人間である。
家族はいないが、帰郷し、この騒動に巻き込まれたのである。
「見せるわけにはいきません。万が一にもここで偶然を装い、瓶を破壊されるのは避けたいので・・・」
堂々とした態度で言い放った彼女にルバトがいう。
「それが事実なら、ライカンから三票も入れられるぞ?あと嘘なら今この場はホンモノの祈祷師さんがでてくるかもな!」
ルバトの言葉にユウリアは動揺を隠せなかった。
「・・・ではロキアルドさんも弁明と状況の説明を・・・」
「深夜いきなり、窓を破って外に飛び出したようだ」
呆れたようにロキアルドはいった。
「私に投票する必要はない。くだらない事で殺すのも殺されるのも御免だからな・・・」
空気が凍りつく、その中でリィルフェンが言う。
「では、こういうのはどうでしょう?投票までに投票すべきがどうかを多数決で決めるのは?現在ライカンは3匹いると思いますが、それ以上に人間もいます。必要に応じてリンチを行えば良いかと思います」
空のような住んだ水色のリプルという髪型の女戦士である。
傍らにおいてある大きな鉾にしっかりとした顔つきで強い戦士であることは分かる。
彼女はベイヴァとともに今までこの村を守ってきたので、やはりみんなから信用されているおかげでその提案は難無く、みんなも承諾した。
「ではリィルフェンさんの提案により死刑の有無の投票でありますが、結果は今日の死刑はなしになりました」
安堵する者もいれば、恐怖に顔が強張る人もいる。



「なんとか死刑は回避できたがな・・・」
ロキアルドはシュウレイ、ルバト、ダマールの3人を集めて話をしていた。
「・・・正直に先にいっておくわ。俺は正直、みんなを信用してない」
ルバトは真剣な顔で3人に言い放った。
「それはお互い様だな。私だってシュウレイ以外は信用していない」
感情的になったロキアルドも怒鳴るように言った。
「でも、シュウレイだって本物だっていう保障はないぞ?」
ダマールも、続かんとばかりにロキアルドに文句を言う。
「助けてやった恩を仇で返す気か!?ダマさん」
「お前らなんか助けにきたせいでこんな目に合わされてるんだぞ!」
ダマールも感情的になり、細い眼に力が入っているのが分かる。
「・・・無駄な争いだよ」
そういうとシュウレイはその場をあとにした。
そしてすぐに日は沈み、また恐怖の夜を迎えた。

2日目「夜」生存者残り12名
1番目の部屋はダマールがルバトを。
2番目の部屋はファーレイがシュウレイを。
3番目の部屋はロキアルドがナイトを。
4番目の部屋はユウリアがキリーを。
5番目の部屋はジェシリカがベイヴァを。
6番目の部屋はリィルフェンが牧師を指名した。

ベイヴァとジェシリカの2人は今晩も同じ部屋である。
ロキアルドは先にシュウレイを指名されて、また荒立っている。
そして、各々部屋に入っていった。

「よろしくお願いします」
ファーレイは律儀に一礼をし、シュウレイに挨拶をした。
シュウレイも同じく一礼した。
「なにか変な感じですね」
シュウレイは変な状況に少し笑いながら言った。
「なんとなくだけど分かります」
「その青い刀は青雲剣タイプですね?」
「はい。この村で鍛えられた剣で氷の力は特化してあるんですよ」
「もしかして・・・氷鏡のファーレイさん?」
「そんな通り名があるらしいですね」
さほど興味がないようでサラリとファーレイは聞き流した。
「友人の戦士が一度お会いしたいとは言っていましたよ」
「へぇ~無事に2人とも生き残れたら、そのときよろしくお願いします」
「そう・・・ですね」
改めて2人がいる状況を思い出させる。
歳も近い2人なら楽しい夜も過ごせるかもしれない。
けれどそれは普通の日常の中での話しである。
「シュウレイさんの恋人さんとユウリアの2人は怪しいですね・・・」
やはりシュウレイの恋人ということで言いにくそうではあるがファーレイは自分の意見を話し始めた。
「そうですね・・・一応警戒はしています。それに明日は投票が行われると思います…」
「ですよね。でも今の状況が投票相手を決めるのは怖いです・・・もしも普通の人だったらと思うと」
「わかります。あ、ファーレイさんはユウリアさんが祈祷師だと思いますか?」
「彼女が祈祷師の可能性はあるけど・・・たぶん違いますね」
「なるほど…なんとか2人とも生き残りましょうね」
「うん」
強い戦士である彼女の笑顔も普通の女性と変わらないものである。
シュウレイはライカンにはそんな笑顔は出せないであろうと安心して眠りについた。  

3日目「朝」生存者残り10名
悲劇が起きたという言葉を使っても、この地獄の中ではありえる事態であり思ったより多くの人間が冷静であった。
死亡者が2名もいるのは昨日と変わらない。
しかし5番目の部屋でベイヴァが死亡したのである。
これは村人達にとって動揺は隠せるものではない。
狩人のリーダーであり、屈強な戦士であったベイヴァの死。
それにその嫁であるジェシリカにライカンの疑いがかかったのである。
ベイヴァの遺体は腹部がまるで爆発でもしたかのように吹き飛んでいた。
ジェシリカ曰く、聖水をかけると膨張し爆発したということだったらしい。
しかし、それは過去の文献を知っていれば分かることであると牧師が説明した。
だが、そんな出来事の裏でもダマールが死亡し無論同室であったルバトが疑われ、ナイトがロキアルドに襲われたという証言をし、混乱する朝を迎えたのだ。
牧師の進行によりジェシリカがまず弁明と状況説明をし始めた。
「実は…私が祈祷師だったのです。協会から黙って聖水を持ち出してイザという時のために。勝手に持ち出してすいませんでした。でも・・・まさかベイヴァがライカンだったなんて・・・」
涙ながら、そこにひざまつきジェシリカは号泣した。
そして、その言葉を信じた者はユウリアに警戒するように冷たい視線をぶつけた。
「いいタイミングかな・・・」
ルバトはみんなの注目を集めるように動いた。
「実は僕が聖水を持っていた! それでダマールさんのフリをしていたライカンを倒したんだよ!」
みんなは驚いたがシュウレイはさほど驚きはしなかった。
「みんなも僕が本物の祈祷師と仮定して考えてみて欲しい」
ルバトが言いたいことは、ユウリアとジェシリカはライカンか狂人であるということである。
現状では、ロキアルドにかかった容疑よりもライカンを特定しやすいのはユウリアかジェシリカ。
必ずどっちかは狂人かライカンで、今晩の死刑は避けることはできないのならどちらかに投票するのが安全だといえる。
ルバトがもし、狂人かライカンならば無難にダマールが自殺したと言ったほうがライカン側にとっては有利な展開で進むことに繋がるので、ルバトが言っていることは事実の可能性が高いであろうとシュウレイは思った。
ルバトの弁明と説明が終えたあとにナイトは実は御守りを所持しており、それによりロキアルドの攻撃を防いだと説明し、無論ロキアルドは出任せであると言い跳ねた。

「死刑有無の投票では死刑は有りとなりました。自分の名前を所定の場所に記入後、空白部分に死刑希望者の名前を記入してください」
さらりという牧師ではあるが、内容は酷く恐ろしい事である。
慎重に考える者、すでに決めているのは早々に記入し投票する者など様々である。
シュウレイも様々な状況を想定し、投票した。

「さて、全員の投票を終えましたので確認します。無論、私が不正をしないことの証に、この場で1つずつ確認していきます」
投票の結果:
ロキアルドに1票(ナイト)
シュウレイに1票(シュウレイ)
ジェシリカに5票(ルバト、ファーレイ、リィルフェン、牧師、キリー)
ユウリアに3票(キリー、ロキアルド、ジェシリカ)
「以上により、ジェシリカを死刑とします」
ジェシリカはすぐさま、逃げようと走り出したがルバトとロキアルドによって捕まえられる。
「私は人間よ!貴方たちどうかしてるわよ!」
ジェシリカの必死の叫び声に、悲痛な思いをするが、ここで決まりを破ればライカンの立場はより一層強いものになるであろう。
以外にもここで進んで行動に出たのは牧師であった。
手にしている鋼鉄のメイスで頭部を何度も殴る。
やはり非力な牧師による攻撃のせいか、彼女が本当にライカンであるために凄まじい体力のためか、なかなかとどめを刺せないでいるなら、ミスリル長柄戦斧が振り下ろされて首が切断された。
とどめを刺したのはリィルフェンであった。
「もし、人ならばせめて苦しむことがないように・・・まあ、出遅れたけどね」
大量の出欠が床を赤く染めていく。
次は自分が同じ目にあうかもしれないとみなに戦慄が走った。
「万が一ですが・・・あとでライカンと確認できる方法があるかもしれない・・・遺体を保存しておきませんか?」
シュウレイが提案する。
もし、人間と分かれば投票した人は罪悪感に苦しめられるかもしれない。
けど、ライカンであればその苦しみからも解放される。
それに、今日明日に分かれば、それがヒントにも繋がると思ったからである。
「では8番部屋にいれておきますね。それにルバトさんの言葉も事実とするならばダマールさんの遺体も・・・」
ダマールの遺体は腹部から破裂したかのような悲惨なモノであった。



3日目「夜」生存者残り9名
1番目はルバトがシュウレイを。
2番目はナイトが牧師を。
3番目はリィルフェンがファーレイを。
4番目は残ったユウリア、キリー、ロキアルドの3人部屋になった。



「ルバトがこれでライカンならって思うと、ゾッとするね・・・」
部屋に対に並べられたベッドの上で向き合って2人は話をし始めた。
「そんなわけないさ。それにシュウさんがライカンじゃないと思ってるから一緒の部屋に来てもらったんだよ」
ルバトは警戒していないといわんばかりに月牙刀をベットの脇に置いた。
「じゃあ、ルバトがいってたことが事実として、ジェシリカがライカンとするなら、残り1匹は・・・」
「同じ考えのようだね。安心したよ。これで確信がもてたわ。でも・・・」
もし2人が思っている人物がライカンならば、本物も既に死亡している可能性が高いこととなるが・・・
「大丈夫。こんな状況でも、嫌な気分しないから・・・きっと大丈夫」
一番不安なはずのシュウレイの笑顔にルバトは励まされた。
「でもシュウさんらしいね。自分に投票するなんて」
「うん。あの状況なら私に投票する人なんていないしね。私の投票のせいで人が死ぬと思うとね・・・逃げたというのが本音かな」
「そうかな。自分が生き残ろうと必死になるよりは良いと思うよ。シュウさんの優しさだな」
「ありがと・・・ルバト」
ルバトは笑顔で答えて、2人は明日への不安をいただきながらも眠りに就いた。



4日目「朝」生存者残り8名
4番目の部屋のキリーが死亡した。
容疑は自ずとロキアルドとユウリアにかけられる。
3人部屋という特殊な状況下の中で出た死亡者、しかし、既に容疑がかかっていた2人故、ほかのみんなも動揺しなかった。
「弁明はある?ロキアルド」
シュウレイは真っ直ぐとロキアルドを見て問いた。
「・・・キリーってやつが狂人だった。それだけのことだ。シュウレイまで私を疑うのか?」
キリーの血は部屋を赤くし、その遺体は既に窓の外にあり骨しか残っていないだろう。
室内でライカンに食われたか、外にいるヘクタに食われたかなど分からない。
しかし、キリーという村人1人が死んだのは事実であった。
「ユウリアさんもキリーさんが狂人と思いますか?」
リィルフィンの問いにユウリアは頷く。
「それじゃ数に合わないよ」
ナイトの一言で決まった。
「キリーさんが狂人とするのなら、狂人は全て死んだことになりませんか?」
ナイトは数に会わない理由を簡単にいう。
「ルバトさんかユウリアさんのどちらかは狂人のハズなのですよ。狂人は3人しかいないハズですからね」
牧師もそれに添えるような説明を加えた。
「ユウリアさん、貴女が狂人で、お前がロキアルドのフリをしたライカンだ!」
ナイトが指を指しながら言い放つ。
「シュウレイ・・・君も私がライカンだと思うのか?」
ロキアルドは悲しい顔をしながら、シュウレイに近づくが、ルバトがシュウレイの前に立ち塞がる。
「ルバト…貴様!」
「ロキアさんじゃないお前に馴れ馴れしく呼ばれたくはない!」
ルバトは月牙刀を構え、威圧する。
「投票ですよ。ルバトさんが本当に祈祷師と仮定すれば、ジェシリカと同じ相手に投票している人で生き残っている人がライカンって推測もできる」
リトルフィンの説明で、ユウリアは顔が真っ青になりロキアルドを見る。
「今から投票をするのもいい。どの道お前は死刑になる」
ファーレイもそう言いながら、ルバトの隣で剣を構え、アイスチャージを使い構えた。
一瞬の出来事であった。
ロキアルドはユウリアを抱え、床を粉砕し、1階へと床へと降下した。
その腕は既に人のモノにあらず、毛深く巨大化した腕に異様なほど長い爪だからこそ、できた芸当なのだろう。
ルバト、ファーレイはすぐさまそれを追いかける。
だが、誰よりも速くシュウレイはテレポーテーションを駆使し、教会の1階の入り口に立ち、ライカンの脱出を妨げた。
「我が手に宿れ!雷となりて貫け!」
呪文を唱え放たれるサンダースピアはライカンを貫通した。
叫び声を同時に苦しみ、変身がとけライカンスロープへと姿を戻し、その場に膝を着いたライカンはユウリアに目をやった。
「ライカン様!?」
ユウリアはライカンを神、進化した生き物と崇める邪教徒であったようであったようで、ライカンの身を案じていた。
「我が力になれ、人間よ!」
そういうとライカンはユウリアを頭から上半身を口にいれ、噛み砕いた。
哀れにも邪魔になった下半身はルバトとファーレイに向け投げ捨てられた。
しかし、ユウリアを喰らったライカンは体力を回復しただけじゃなく、先ほどよりも力をみなぎらせたようである。
「お前たちは全員、喰い殺す!」
ライカンはすぐさま、遠吼をした。
「これで我が種族が集まってくるぞ…だが、お前は私が喰らうぞ! シュウレイ!」
ルバト、ファーレイは出遅れたことを悔いながらも必死にライカンを後ろから追う。
シュウレイは迫り来るライカンを、その眼でしっかりと見つめ逃げる素振りを見せることもなく小さく呟いた。
「遅いよ・・・」
それはライカン、ましてルバト、ファーレイに言ったモノではなかった。
「すまない・・・」
シュウレイが立ち塞がる扉が両断され、1つの蒼い影が現れ、ライカンの首をフルカウントのパニックで斬りおとした。
手に握られるは蒼き刃のグリュンヒルタイプの剣…
ただでさえ、重く扱いにくい剣であるグリュンヒルタイプを使う人間は少ないし、蒼の刃となれば1人しかいない。
本物のロキアルドであった。
「ギリギリセーフだし、許してやる」
そういうとシュウレイはロキアルドに抱きついた。
「それはどうも・・・」
鎧はなく、防寒着を装備したロキアルドと、その後ろにはボウガンを構え教会に入ろうとするヘクタを狙い撃ちダマールの姿があった。
「2人とも無事だったのか・・・安心した」
ルバトも安堵しながらも武器を構え、モンスターの侵入に警戒していた。
「ライカンが遠吠えしていたな。速やかにここを立ち去ったほうが良さそうだ」
ロキアルドがそういうと、奥から1人のハーミットがフラッシュジャンプを駆使し現れた。
「みなさんは中へ、あとは我々にお任せを」
フードを取ったナイトはすぐさま、教会の外にでてヘクタを手裏剣で次々に仕留めていった。
「強いな…リルカさんクラスの使い手か…」
ロキアルドとダマールはその無駄のない動きに見とれながらも、ナイトの援護へと自分たちも続いて協会をでる。
ナイトは高い崖をもフラッシュジャンプと駆使しながら登り、頂上に着いたと同時に叫んだ。
「さあ! みんな、一気にいくよ!」
ナイトがそういうと十数名が姿を現し、狼めがけ崖をうり坊や銀シシ、または己の足で降りていった。
遠吠えで集まってきた狼を決して少なくはないが、少数精鋭のナイトの仲間たちによって駆逐されていく。
「あさちゃんのことだから、大丈夫だと思ったけど心配させないで欲しいよ」
黒い盗賊装備にニューゼンという髪型で、落ち着いた雰囲気の女性も龍天拳でサベッジスタブ、シーブズ、アサルターを使いヘクタやウェアウルフを次々と倒していく。
「燈ちゃん。敵は多いぞ。喋ってないで気をつけて」
銀シシから両手剣を振り下ろし、ヘクタを次々に両断していく青髪のナイトがいう。
ロキアルドとは違い幼さが残るが、その力は数段上をいくものである。
「レイさんだって心配してたじゃないですか?」
黄龍刀を振り回すのは、戦士にしては小柄な女戦士の女性で、ハイパーボディを使いみんなをサポートしながらもドラゴンスラッシャーとロアで狼どもと一掃していく。
「りょあさん、ちょっと待ってよ!」
そのりょあという女戦士はロアを連発するので、サポートに必死になって追いかけていくのが猫をイメージさせるフードを被った幼い顔つきながらも魔力が非常に高いプリーストの男である。
「姫が無茶するから、こっちだって無茶する羽目になったんだよ!」
文句を言いながらも、ホーリーアローやシャイニングレイもしながらも回りへのサポートを決して怠ることがない。
「猫さんなら大丈夫!」
ナイト自身も、先ほどから間合いを取りながら無駄のない動きで狼達を一掃していく。
しかし、やはり逃げ出そうとエルナスの山脈へと走り出す者もいる。
「逃げていくモノは見逃すのか?」
ロキアルドもその戦いに身を投じながらも指揮官であろうナイトに問いかけた。
「大丈夫。バロロがちゃんとやってくれるよ」

村から少し離れた場所、エルナスの山脈に一番近い場所である1本道の崖の上に1人が寒そうに震えながらもその道を上がってくる者がいないかと、見張りをしていた。
「はい~残念でした~」
そういうとウィンドの髪型に赤い魔法装束を纏った男の魔法使いが、アイスストライクやサンダーボルトで逃げる狼と仕留めていった。
戦いの時間はほんの10数分であったであろう。
ロキアルドもかなり数を倒したが、ナイトと始め、他の者は桁が違う量をこなしていたようであった。
狼どのの遺体で村は悲惨な状況であるが、一応悲劇は終わった。
「何人も犠牲者が出たけどね・・・」
シュウレイは悲しく呟く、そしてロキアルドは片手でシュウレイを強く抱きしめた。



ナイトの正体はエルナスの古城の主の妹である「あぁさぁ」というハーミットであった。
そして、あぁさぁ自ら町で調査をしていたところに今回に騒動に巻き込まれたということらしい。
城下にこのような忘れられた町があることは前々から分かっていたが、見つけるまで苦労していたらしい。
見つけたと思えば、この騒動で外部との連絡が取れなくなったが、猫石の機転により、狼どもを一掃できたということであった。
生き残った村人たちはエルナスの長老のとこにいき、審問されることとなった。
その後、あの村は完全に封鎖されることとなり、住んでいる人間は誰もいない。
調査によりダマール、ジェシリカの遺体はもちろんウェアウルフの化けた物であったことが判明している。
そして、後の歴史に同じ悲劇が確認されていない。



~エピローグ~
エルナスの1つの家を借りて、ロキアルドとその仲間達は休息していた。
暖炉の近くにコーヒーを持ちカーペットに座り込んだシュウレイとロキアルドがいる。
「なるほど・・・んじゃ最初から私に化けた奴のことは信じてなかったのか?」
ことが落ち着いてから、あの村の騒動をシュウレイから聞いていたのだ。
「うん。だってグリュンヒルをなくすなんてありえないでしょ?」
「だろうな・・・」
「それなのに、また作ればいいとか…もっとありえないでしょ?」
「そうだな」
自分の深層心理まで読んでいるシュウレイにちょっと焦るロキアルド。
「あ、でもあの鎧はホンモノだったから焦ったよ」
「あ、あれはダマさんと一緒にエルナスの探索にいくことになったんだが、鎧は凍傷の原因になりえるからエルナスに置いていったんだ。セルビが忘れ物と誤解して持ってこようと追いかけてきたんだ」
「なるほど…でも鎧なんて忘れないよね?」
2人はクスクスと笑った。
「まあドジはセルビの十八番ってことだな。だけど、そこにライカンとウェアウルフ数匹と遭遇して、戦闘になって何匹かは倒したんだが…」
言うか言わないか迷ったようだが、ロキアルドは続けた。
「セルビがジャンプした場所が悪くて、崖に落ちてな。ダマさんがとっさにセルビの片足を掴み、私もすぐさまダマさんの足を掴んで、地面に剣を差し込んだのだけど留まれず、3人とも崖に落ちてエルナスまで戻ってしまたんだ」
「なるほど・・・」
結果、ロキアルドなんらかの方法でロキアルドの記憶の一部と鎧を手に入れて、手負いのウェアウルフをダマールに変身させて村に侵入したのである。
ジェシリカに関してはいつ入れ替わったのかわからず、もしかしたら最初からウェアウルフだったのかもしれない。
しかし、それが分かることはもうないのであろう。
「ただいま~」
セルビシアが家の中に入ってきた。
「おかえり。セルビさん」
「おかえり」
「フリマで良いコーヒーの豆が手に入ったよ~すぐに入れるね~」
そういうと袋から豆を出してコーヒーを入れようとしたが、手を滑らせて豆を床にばら撒いてしまった。
「あっ、またやったな。セルビ」
「ご、ごめんなさい」
あわてて豆を拾う、それをシュウレイも手伝った。
「セルビはライカンじゃないな」
「え?」
「いくらライカンでもドジまでは真似できないだろう?」
ロキアルドがそう言うとシュウレイはまたクスクスと笑い、セルビシアは膨れっ面になった。



◎あとがき◎
シュウレイは前編で落ちまで全部当ててきて、驚きましたよ。
この展開を予想した人はいるかな?
正直グタグタ感がある展開ですね。
人狼やってる人なら、あの役割ならあの時こうすればいいのにというツッコミ所も満載でしょうね。
あと、私のグリュンヒルへの執着を知ってる人なら、前編でロキアルドが偽者と分かっているかなと思ったり。
ナイトがあぁさぁさんだとダマさんは分かっていたのが嬉しかったな。
あと何気にファーレイ初登場。
今度はぴぃのとは対象的な氷のクルセイダーとして活躍させていこうと思ってます。
説明不足な部分も多くありますが、楽しんでいただけたのなら嬉しいです。
はやく10000HITかかないと微妙に伸びているHIT数がで日々焦っています(笑

あと設定していた役割の配分は以下の通りです。
3狼:ロキアルド(ライカン) ジェシリカ(ウェアウルフ) ダマール(ウェアウルフ)
5村人:シュウレイ ファーレイ ベイヴァ リィルフィン キリー
1祈祷師:ルバト
2牧師:ナイト(あぁさぁ) 牧師(まんまです。御守りは最後まで使うことはなかったですね(笑
4狂人:村長(最初に死亡)ユウリア ハーベ コラント


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テーマ:メイプルストーリー - ジャンル:オンラインゲーム

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こういう展開だったかー
確かに考えればそうだっだたなと。俺もまだまだだな^^;
しかし何気にオールスターだねこれ
本編にも登場するのかな?楽しみだねー
2007/11/30 Fri URLだまR#z2JIwU5k [ 編集 ]
コメントありがとうございます^^
だまRさん>
返信遅くなってすいませんorz
ダマさんはもちろん本編にも^-^)b

まあ、グリュンに固執する私を知ってる人は容易に読めていた展開だからね^^;
2007/12/31 Mon URLRokia#/5LHBRow [ 編集 ]
ご無沙汰してます
今頃読ませていただきました。
おもしろかったです♪

うーん。ジェシリカさん達は生きてると思ったんだけどなぁ;
狼はロキアしかわからなかったです。。
記憶があっても、行動は真似できないんだね~。
セルビを真似るライカン…ちょっと見てみたい(´-ω-`)
2008/01/14 Mon URLセルビシア#r13xZNus [ 編集 ]
コメントありがとうございます^^
セルビシア>
読んでくれてありがとう^^
コメント遅くてもいただけるとすごくうれしいよ♪

やっぱロキアルドが狼って分かってくれてうれしいね^^
行動は無意識ですることが多く、記憶することはほどんどないしね。

セルビのまねはできないって(ぁ
天然っていうのは読めるけど書けない(演じれない)し(ぁ
2008/01/20 Sun URLRokia#/5LHBRow [ 編集 ]
今更ですが、集中して読ませていただきました。そして、あまりに夢中になって読んだので、最後まで展開が読めませんでした(´゚ω゚);:',*ブッ
とても面白がったですw
2009/11/18 Wed URL江古田#- [ 編集 ]
コメントありがとうございます!
江古田さん>
展開を読めなかったといっていただければ嬉しいです(*゚∀゚)

機会があれば是非人狼をやりましょう!
2009/12/09 Wed URLRokia#/5LHBRow [ 編集 ]

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プロフィール

ロキアルド

Author:ロキアルド
血液型  A型
星座   天秤座
趣味   映画観賞 

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名前:ROKIARUDO
職業:戦士(ヒーロー)
サーバー:あんず
所属ギルド:【AnotherSlash
「蒼い剣士」愛称ロキアを主人公にメイプルストーリーの設定などを生かしながらオリジナルの小説を書いていきたいと考えております。
上記のプロフィールの素敵な絵はシュウレイ様が描いてくださいました。
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